今、LTO磁気テープドライブに再び脚光が浴びているとの事。
特にアーカイブでの需要が伸びているそうです。
磁気テープドライブというと、光学ディスクドライブ系統に完全に駆逐された感がありますが、大容量・長期保存が低コストで可能であることが受けて、動画や画像、音声などを保存する用途で、特にプロユースを中心に売れています。
現在のテープドライブは、LTO(Linear Tape-Open/リニア テープ オープン)規格のものです。
LTOのバージョン
LTOは定期的なバージョンアップを経て、現バージョンはLTO-6です。
規格のバージョンは計画的にアップされており、2000年のLTO-1から12年を経て2012年に現在のLTO-6となっています。
開示されているロードマップではLTO-10までが出されており、LTO-10では、非圧縮4.8TB、圧縮12TBの容量が示されています。
この規格世代間の互換は、Read互換として2世代前まで、Read/Write互換として1世代前までが確保されています。
つまり現LTO-6でアーカイブされたデータは、その後のLTO-8のドライブまでRead可能です。
LTFSファイルシステムで簡単高速保存
LTOがアーカイブ用途に見直されたのは、LTO-5からサポートされたLTFS(Linear Tape File System)というファイルシステムに拠るところが大きく、これによって、あたかもPCのエクスプローラーを操作しているかのごとく、ドラック&ドロップで簡単にファイル操作が可能になりました。
また、テープドライブの特性もあり、非常に高速な書き込みが可能です。
公表されている転送速度は、非圧縮時で160MB/s、圧縮時で400MB/sです。
実際に結構大きな動画ファイルをLTFSを利用して書き込みをしましたが、あっさりと保存してくれました。
これは、特に画像に関わるプロの方ですと、手持ちのカメラやフラッシュからのバックアップの作業が非常に楽になると思います。
但し、読み込みに関しては、イメージとしてカセットテープでお目当ての曲を探すのにも似て、HDDに比べると、トラックを拾うのに若干時間がかかります。
低コストで大量データ保存が可能
テープ1本あたりの容量は、非圧縮時で2.5TB、圧縮時で6.25TBと、大量です。
また、磁気テープの品質が以前に比べ格段に向上したことにもより、保管可能な期間も劇的に伸びて、専用ケースに入れて、湿気対策などの施されたところでは、テープの寿命はメーカー公称50年だそうです。
しかも大容量にも関わらず、テープメディアのコストも非常にリーズナブルなため、特に業務で大容量データを多く取り扱うユーザー様に支持されています。
LTOは長期間のアーカイブに適しています
それまでのデータのデジタル化に伴い、以前のVHSや大型のNASやストレージにデジタルデータを保管したりする場合に比べて、圧倒的にコストバリューがあります。
また、HDDに保存後、取り外して、HDDをビデオテープの様にして保管をしているユーザー様もいらっしゃったようですが、何年か後に、いざデータを取り出そうとすると、HDDごと故障というケースもあったそうです。
LTOの利点
- 大容量およびコンパクト
- 高い耐久性と媒体寿命の長さ
- 今後のロードマップと安定供給
- 容量単価が低く、リーズナブル
- オフライン保管のため、保管電力不要でエコ
などが挙げられます。
USB3.0モデルの登場でより身近に
LTOは接続インターフェイスがSASの場合が多く、この場合は、接続するPC又はワークステーションにSASインターフェイスカードを取り付ける必要がありますが、USB3.0対応のドライブも販売されており、この場合は、ノートPCと直接接続が可能であり、ロケ地や遠隔地など、場所を選ばずに作業が可能です。
良いところ尽くしのLTO6ですが、プロユースのため、一般には販売されておりませんが、当店では、USB3.0モデル/SAS接続モデルの最新LTO-6ドライブの他にも、LTOテープの取扱いも行っております。
旧世代データ読み出しなどもご相談ください
また、2世代以上の古いデータは、安全のために、最新のバージョンにレプリケーションを行う必要がありますが、お手持ちのドライブの故障などで読み込みが出来ない場合は、当店にてのレプリケーションも可能です(ご相談ください)。